山林を売却する場合の注意点としては登記簿面積と実測面積が異なっていないかを調べてみる必要があります。
既に国土調査済みの場合には両者に差異が生じることは殆どありません。
しかし国土調査が未済の山林は、登記簿面積はあまり当てになりません。
これは明治維新になって政府が固定資産税を徴収する必要性から、急遽地方自治体に測量を命じたための混乱が未だに残っているからです。
当時の測量技術は未熟だった上に、宅地、田畑は比較的丁寧に測量されているものの、山林の場合には筆界の確定が難しいことや、面積が多きいこと、地価水準が低いためにあまり丁寧に測量されていないままの数量が登記簿面積として現在まで残っている場合があります。
現実的には数10%位の増減、つまり縄伸び、縄縮み位はよく見られますし、なかには何倍、何十倍の縄伸びさえもあります。
全国的には数百倍の縄伸びさえ見つかっているほどです。
このような山林を登記簿面積で売却すると大損を被ります。
地価水準によっては実測費用との関係で測量が困難な場合もあります。
そのような場合にでも、国土調査が終了するまで売却を猶予するとか、将来国土調査が行われた場合に一定面積以上の縄伸びが見つかったらば、一定面積以上の部分について後日精算することを取り決めておく、周辺の山林で既知の縄伸びがに見つかっている場合には、その縄伸び率を参考にするなどの対策を講じておくのが賢明です。